健康にも環境にもやさしい、愛川町の特産品「碧山園の杜仲茶」!
愛甲郡愛川町碧山園の杜仲茶について教えてください。
愛川町の「町民アイデアまちづくり事業」をきっかけに、杜仲茶の生産・加工・販売を手がけている、有限会社碧山園の安間社長と職員の石井さん(75歳・現役)に、杜仲茶や愛川町のお話をうかがいました。
<碧山園 安間さん、石井さん談>
碧山園の杜仲茶は愛川町の畑で無農薬・有機栽培で作られていて、安心して飲むことができます。元々は中国で漢方薬として使用されていました。中国では葉を使わずに樹皮を使っていましたが、樹皮は薬木として薬事指定されているため、愛川町では使えません。そのため、葉を使ってお茶にしました。この葉の部分も、樹皮とは変わらない成分があり、さらに、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
当社の杜仲茶は粉タイプの商品で、手軽で便利に使用できます。カフェインはゼロです。ビタミン、ミネラルが豊富なため、簡単便利に摂取していただけるマルチな食品と言えます。他にも、ポリフェノールの含有量が多いのが特徴です。
杜仲茶の成分の試験や研究は、神奈川県産業技術センターと富山大学の連携により行われました。研究の結果、メタボリックシンドロームの健康茶として、機能性が客観的・科学的に立証されました。また製造特許を7つ取得しました。現在は、横浜市立大学と茨城大学が当社の杜仲茶を使用して、がん幹細胞に関する研究を行っています。
平成15年の「町民アイデアまちづくり事業」をきっかけに、杜仲茶の生産・加工・販売をはじめられましたが、杜仲茶を使用した事業をお考えになった背景を教えてください。
元々、愛川町では繊維産業が盛んでした。しかし、国内の不況で繊維産業の拠点が海外へ流れはじめ、町の空洞化が起き桑畑が荒廃してしまいました。そのため、次世代につながる、良いものをこれから先に残せる事業をしようと考え、高齢者の健康を支えつつ医療費を削減し、また、環境にも配慮したいと思い、杜仲の葉を使ったお茶づくりを始めました。この先、ますます高齢者が増えると言われています。医療自体は必要なことですが、それだけでなく、健康に対して投資することにより、医療にかける費用を削減でき、生涯現役で過ごすことができると思っています。
杜仲茶作りは高齢者や障がい者の福祉就労の場の創出のために、当初は高齢者を中心としたボランティア事業としてスタートしました。現在は、障がい者も含めた高齢者の就労の場として行っています。今では、町内に立派な杜仲茶畑ができ、高齢者が朝4時から、1枚1枚、葉に傷がつかないように丁寧に収穫しています。
これからも生涯現役の就労の場として、事業を行っていきたいと思います。
現在、杜仲茶は愛川町の特産品となっていますが、この先(将来的に)考えていることや、これからしていきたいと思っていることがありましたら、教えてください。
杜仲茶の成分が健康に良いことがいろいろな研究を通じて分かりましたので、より多くの方々に杜仲茶のことを伝えていきたいですし、認知度を高めていきたいです。今後は生産量を増やし、海外への流通も視野に入れています。次世代の子どもたちが海外進出していけるように基盤を作りたいと考えていて、生産量を増やすための研究、遺伝子技術・バイオテクノロジーの研究も進めています。
愛川町は自然豊かで環境の良いところです。水源も近く水が綺麗で美味しいです。昔から愛川町の人はこだわり屋さんが多く、たくさんの良いものを作ってきた歴史がありますので、愛川町の杜仲茶を日本一、世界一のお茶にしていきたいです。
碧山園の安間社長と職員の石井さん(75歳・現役)にお話を伺った後、愛川町を案内していただきましたので、愛川町のスポット情報をご紹介します。
◆古民家山十邸◆
明治初期の豪農の住居のすがたを示すものとして、愛川町がその建物や庭園などを後世に残すために修復・保存をはかった古民家です。
同建物は、1990年1月に「かながわ建物100選」に選定され、2009年1月には「国登録有形文化財」になっています。春には花の香りに包まれる庭園は見ものとのことです。
また、古民家の傍には大きな蔵があり、中には昔の農機具などが大切に保管されています。
一般に開放され見学は無料で、文化活動・研修・行事などにおける団体使用もでき、愛川町民に親しまれています。
◆中津川◆
愛川町内を流れる中津川の清流は綺麗で、見ているだけで癒されます。
鮎釣りは有名で、取材・撮影当日も多くの方が釣りを楽しんでいて、河川敷ではバーベキューや水遊びを満喫している家族連れも多くいました。また、中津川沿いにマス釣り場があり、つかみ取りも行われているため、中津川周辺で1日中、家族で楽しい時間を過ごすことができます。
◆塩川滝飛沫◆
滝幅約4m、落差約30mの滝で、「あいかわ景勝10選」に選定されています。歩道が整備されていて滝壺近くまで簡単に行くことができ、間近に滝を見ることができます。
取材・撮影当日はとても暑かったですが、滝壺近くはひんやりとした空気が漂っていて気持ちが良かったです。
なお、塩川滝は江ノ島の海と繋がっているという奇妙な伝説があります。
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