小原宿本陣祭参加レポートおよび神奈川県立相模湖交流センター紹介

相模原市緑区

小原宿本陣屋敷外観(11月3日撮影)

秋晴れの下、第22回甲州街道小原宿本陣祭に行ってきました。
小原宿本陣は、神奈川県下で本陣(江戸時代、参勤交代のときに大名などが宿泊した宿)としては現存する唯一の貴重な建物で、本陣祭は、重要な歴史的資源を地域の活性化につなげるとともに、江戸時代の歴史文化を後世に伝えていくために開催されるお祭りです。

見所は甲州街道を練り歩く大名行列、本陣太鼓弁天会による出陣太鼓と迎え太鼓、川越藩鉄砲隊保存会による演武、笹子追分人形保存会による人形浄瑠璃芝居などです。

小原宿本陣近くの小原の郷で団欒する人たちと出店風景(11月3日撮影)

関連リンク:小原宿本陣祭

本陣屋敷では笹子追分人形浄瑠璃や大名茶会「野点」が催され、多くの方が人形の華麗な動きに見入っていました。笹子追分人形浄瑠璃は山梨県では唯一、江戸の流れをくむ3人遣いで県の無形文化財に指定されていて、伝統芸能継承のために、県内外で公演、鑑賞会などの活動を続けています。

小原宿本陣近くの小原の郷は食べ物の出店をはじめ、特別ステージで行われる、音楽隊による演奏、ダンスパフォーマンス、大道芸などの出し物で賑わっていました。地元の方々や多くの見物客が見て楽しんでいました。

笹子追分人形浄瑠璃を演じる笹子追分人形保存会の方々(11月3日撮影)

相模湖音楽隊ブリーズハーモニーによる演奏風景(11月3日撮影)

関連リンク:山梨県無形民俗文化財 追分人形関連リンク:相模原市観光協会HP

お昼過ぎに、小原の郷で大きな太鼓の音が鳴り響きました。大名行列出立前の出陣太鼓です。迫力のある太鼓とともに、大名行列が続々と列をなしていきました。
出発直前には、川越藩鉄砲隊保存会による火縄銃の演武があり、実際に目の前で火縄銃が空に向かって打ち放たれました。2発3発と迫力のある鉄砲の音に、見物客からは「おお~!」という声が聞こえてきました。

本陣太鼓弁天会による出陣太鼓風景(11月3日撮影)

川越藩鉄砲隊保存会による火縄銃の演武風景(11月3日撮影)

鉄砲隊の演武が終わると、いよいよ大名行列の出陣です。小原の郷をスタートし、大勢の人が本格的な衣装を着て、「旗持ち」と呼ばれる大きな旗を持った方が先頭を歩きはじめました。その後も様々な役割を持った人たちが続々と練り歩き、大名行列で一番位の高い「殿」は馬に乗ってゆっくり進んでいきました。甲州街道沿いには多くの見物客がカメラを片手に、この迫力のある大名行列を撮ったり、楽しんで見たりしていました。

歴史の教科書で習った大名行列を間近で見ることができ、江戸時代の参勤交代の風景はこういうものなのかと、私自身、とても感銘を受けました。
小原宿本陣祭は来年も開催される予定ですので、是非、足を運んでいただき、当時の歴史を感じていただけたらと思います。

小原宿本陣祭をあとにし、県民に水源地域の自然とのふれあいや多様な交流活動の場を提供している神奈川県立相模湖交流センターへ伺い、館長の秋山道夫さんにお時間をいただき、お話を伺いました。

大名行列出立前の風景(11月3日撮影)

甲州街道を練り歩く大名行列の風景(11月3日撮影)

相模湖交流センターについて教えてください。また、現在、利用頻度の多い内容や、今後の展望もあわせて教えてください。

(秋山館長)
相模湖交流センターにはアートギャラリーと多目的ホールがあり、アートギャラリーは可動式のパネルを完備していて、空間を様々に演出できますので、絵画や書画、写真、工芸、生花などの展示をはじめ、特産品の展示などにもご利用いただけます。
多目的ホールですが、天井や内壁、床は木製で天井が高く、音響反射板と残響可変幕も設備されていて、コンサートをはじめ、演劇やダンス、公演会、イベントなどにご利用いただけます。
最大の特長は、音が良いところです。クラシックやジャズを録音する場所として業界内ではかなり有名で、音響効果が良いだけでなく、森と湖に囲まれた静寂な自然環境がアーティストにとっても良いそうで、世界的に著名な音楽家の方々(バイオリニストをはじめ、ピアニスト、パーカッショニストなど)にもとても気に入っていただき、CD録音のために何度もご利用いただいております。また、電源がクリーンで、音源が良くなるといったことも業界内では評判が良いということを聞いております。

何度もご利用いただけることはとても嬉しいことで、音響効果だけでなく、ご利用いただく方々への当センターのスタッフのおもてなしやサポートを評価していただいていると感じております。「利用時間は何時から何時までと決まっているから、時間になったら終わってください」といった杓子定規的な対応はせず、ご利用いただく方々の状況やどのように利用したいのかを考えて対応しておりますので、なかなか他にはないサービスということも評価いただいていることではないかと思っております。また、音楽学校や美術学校を卒業しているスタッフが多く、ご利用いただく方々の気持ちが分かるということもあると感じております。

今後ですが、相模湖交流センターならではの「柱」を作りたいと考えていまして、具体的には、

1.音楽会、美術展等イベントを開催する
2.CD等の録音会場として音楽家と音楽界に貢献する
3.地元合唱団、吹奏楽団、演劇団体、学校学園祭、敬老会、文化祭等々地元の行事開催場所として地元に貢献する

の3つとなりますが、その他にも、すばらしいホール、ピアノ、そして環境を活かし、著名音楽家によるセミナー、ワークショップの開催や、フェスティバルの開催等で文化に貢献するとともに、地元に賑わい効果をもたらすなど地域振興にも貢献したいと思っております。

なお、当センターは、毎週月曜日(祝日・振替休日の場合はその翌日)と年末年始(12月29日~翌年1月3日まで)を除き、午前9時~午後9時30分まで開館しております。利用にあたっては、6ヶ月前から電話もしくはインターネットから予約申込みが可能です。先着順になりますので、重なってしまうと1ヶ月後になってしまうということもあります。

神奈川県立相模湖交流センター外観とセンター内の多目的ホール(11月3日撮影)

神奈川県立相模湖交流センター 館長の秋山道夫さん(11月3日撮影)

関連リンク:神奈川県立相模湖交流センター関連リンク:「水源地の芸術」DIRECT ACCESS METHOD(県立相模湖交流センター) やまなみ五湖レポート 特集一覧へ